バラバラの施策、どれが受注に効いたのか誰も分からない・・・「引き合い頼み」のメーカーが営業機会を生む仕組みを見事に築けた理由

業種
産業機械メーカーY社

規模
売上2,000億円

背景

工作機械や搬送装置を手がけるY社。高い技術力で顧客の信頼を得てきたが、営業は長年「引き合い対応」が中心だった。だが顧客の設備投資は以前ほど安定せず、既存取引に頼るだけでは受注の先行きが読めなくなっていた。能動的に顧客を開拓する体制が不可欠だと考えた経営層は、新製品の拡販と新規市場の開拓を本格化。その推進役を、マーケティング企画室のK氏に託した。

課題

バラバラに動く現場。「これでは、いつまでも引き合い頼みのままだ」

ある朝、K氏は各事業部から上がってきた前年度のマーケティング費用の一覧を眺め、思わずため息をつきました。展示会、Web、メールマガジン、カタログ——それぞれの活動に、決して小さくない金額が投じられています。ところが「では、この中のどれが受注に結びついたのか」と問われれば、答えられる者は社内に誰もいませんでした。

「活動の一つひとつは、現場が真面目に取り組んでいる。それなのに、成果として手応えがまるでない。一番の問題は、すべてが分断されていることでした」とK氏は当時を振り返ります。
展示会で集めた名刺は営業推進部の引き出しに眠り、Webの問い合わせは広報部で止まってしまう。せっかく見込み客との接点が生まれても、次のアクションにつながらないまま放置されていたのです。

打開策を求めて社外のセミナーや書籍をあたるK氏でしたが、世に溢れる情報は広告の運用テクニックやツールの使い方に偏っていました。
「個別の施策のノウハウはいくらでも出てくる。でも、私が知りたかったのは、それらをどう束ねて『営業機会を生み出す一つの仕組み』にするのか、という全体の設計図だったのです」
求める答えは、なかなか見つかりません。

そんな折、経営層との会議で「新規開拓で年間100件の案件を」という目標が示されます。ただ、K氏には引っかかることがありました。そもそも社内では「案件」の中身すら人によって解釈が違います。営業が言う案件と、経営層がイメージする案件は同じものなのか——。目標を測るための共通の物差しさえ、Y社にはなかったのです。

課題のポイント

  • 各部門が個別に施策を実行しており、どの活動が受注に貢献したのか誰も把握できていない
  • 施策同士が分断され、せっかく得た見込み客との接点が営業機会につながっていない
  • 「案件」を測る社内共通の定義がなく、目標設定も成果の評価もできる状態にない
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