散在する顧客情報、立ちはだかる事業部の壁。大口顧客の信頼を守りながら、ターゲット8社のABMの第一歩を踏み出せたポイント

業種
化学品メーカーX社

規模
売上3,000億円

背景

機能性材料から基礎化学品まで幅広い製品群を持つX社。各事業部が専門領域で技術力を磨き、得意先顧客と長年の取引を築いてきた。しかし主力製品は成熟期を迎え、価格競争も激化。経営層は既存の大口顧客との関係をさらに深めるか、または新たな市場に打って出るか決めあぐねていた。そこで、その戦略を早急に立てるように、マーケティング責任者のS氏に指示をだした。

課題

何から始めればよいのか・・・。「ABM」にたどり着くまでの道のり

戦略の方向性を任されたS氏は早速、現在の自社の状況になったとき、先進的な企業はどのような戦略をとったのか調べてみることにしました。しかし、S氏はマーケティングといっても展示会や広告宣伝を中心に対応してきたため、現状を打破するための方法論をまったく持ち合わせていません。手探りで調べるうちに、北米の企業では当たり前となっている、特定の重要顧客に全社リソースを集中させる「ABM(アカウントベースドマーケティング)」という戦略に出会います。これはまさにX社が目指していた戦略の1つでした。

しかし実践するには、壁は高く、S氏は次々と困難に直面した当時の様子をこう振り返ります。
「第一の課題は、社内の縦割り構造でした。各事業部には『俺の客』という意識が根強く、『長年築いた信頼関係をマーケティングなんかで壊されてはたまらない』とそれはえらい剣幕でしたね」

第二に、顧客情報の散在です。重要顧客は8社ありましたが、どの部署の誰と自社メンバーの接点があり、過去にどんな取引があったのか。情報は各事業部に分散しています。あらためてデータを見たら社名表記や個人名も揺れが目立ち、どう整えたらよいか皆目見当もつきません。
第三に、ノウハウの完全な不在です。ターゲットの選定基準も、価値訴求やコンテンツ設計の知見も社内にはありませんでした。

藁にもすがる思いで情報収集に奔走するS氏。しかし、セミナーで紹介されるのは広告やWebマーケの手法ばかりで、求める答えにはたどり着けません。「時間だけが過ぎていく」と半ば諦めかけたそのとき、あるオンラインセミナーで状況は一変します。
「ABMは戦略であり、大口顧客の信頼を損ねてはならない」シンフォニーマーケティングの講師の言葉が、抱えていた不安の核心をことごとく言い当てたのです。

課題のポイント

  • 攻略すべき方向性は見えているが、ABMを実践する具体的な方法論がなく、何から手を付けてよいか分からない
  • 事業部の縦割り構造と「俺の客」意識により、ターゲット企業への全社的なアプローチが進まない
  • ターゲット8社の顧客情報が社内に散在し、全社で俯瞰できる状態になっていない
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