IGCH Echo

開催報告

2025年12月5日(金)開催 事業成長のためのマーケティングアラインメント

B2Bマーケティングリーダーとしての視座を鍛えるための勉強会と、同じ立場のマーケター同士が交流するネットワーキングを通して、事業成長のためのマーケティングアラインメントをテーマに、濃密な「学び」と「刺激」を得られる場として、第2回「IGC Harmonics Echo」を開催しました。

長瀬産業、NECソリューションイノベータ、AGCの3社による実践事例と、当社代表・庭山による特別セッション、そしてネットワーキングを通じて、「営業とマーケティングの連携」を一歩前に進めるヒントを共有しました。

当社代表 庭山による講義の様子

実施概要

実施概要の詳細

開催日程

2025年12月5(金) 14:00~19:00

開催場所

AP日本橋

参加者

エンタープライズB2B企業 28社50名

講演内容 事業成長のためのマーケティングアラインメント

講演内容の詳細

マーケターリーダーズセッション

南潤氏の写真

マーケターリーダーズセッション1

NAGASEグループ マーケティング組織と営業組織のすれ違いから連動へ
~「壁」を「橋」に変える取組み~

長瀬産業株式会社 経営企画本部 マーケティング推進室 兼
機能化学品事業部 トータルソリューション部

南 潤 氏

営業ご出身で、コーポレートと事業部の両方のマーケティングを兼務されている南氏からは、「営業とマーケティングのすれ違い」をどう連動へ変えてきたか、その具体的なプロセスを紹介いただきました。
前半では、国内外のデータを示しながら、営業とマーケの連携が新規受注に大きく影響する一方、多くの企業がいまだに分断に悩んでいる現状を整理。後半では、トップのコミットメントの引き出しや共通KPIの設計、先行事例の横展開など、現場で実践してきた打ち手を共有いただきました。
「最初は理解度と意欲の高い部門から成功体験をつくる」「ダッシュボードで案件進捗を“見える化”する」といったコメントは、参加者の抱える悩みにそのまま重なる、大変示唆に富む内容となりました。

小川圭介氏の写真

マーケターリーダーズセッション2

分断から連携、そして一体化へ
標準化と対話で実現したアラインメントの進化

NECソリューションイノベータ株式会社 営業部門
GTM戦略グループ ディレクター

小川 圭介 氏

技術者が大半を占める組織の中で、営業部門直下のGTM戦略グループを率いる小川氏からは、全社戦略の「収益性重視」への転換を受け、営業とマーケティングのアラインメントを進化させてきた取り組みを紹介いただきました。テーマとターゲットを絞り込み、ABM/ICPに基づくターゲティング、共通KPIの設計、役割分担とSALの明文化、GTMトレーニングを取り入れた標準プロセスの構築などを実践。
運用開始当初は、「もっとホットなリードが欲しい」「商談入力が進まない」といった“あるある”の壁にも直面しましたが、用語・定義の標準化やダッシュボードによる見える化、毎月の会議を通じて、1年でMQLから商談への転換率を大きく改善。プロダクト営業からソリューション営業へと意識が変わりつつある様子が、参加者の印象に強く残るセッションとなりました。

田中友保氏の写真 松本知子氏の写真

マーケターリーダーズセッション3

マーケティング活動の今後と8年間の苦労話をいくつか

AGC株式会社 化学品カンパニー SCM推進部
マーケティング推進グループ グループリーダー

田中 友保 氏

AGC株式会社 化学品カンパニー SCM推進部
営業統括グループ マネージャー

松本 知子 氏

原料・副資材を扱う「化学品カンパニー」で、MA導入から8年間にわたり運用を牽引してきた田中氏・松本氏からは、いわゆる“究極のB2B”ビジネスにおけるマーケティングの現場と、その中での工夫を共有いただきました。
顧客がいつ原料を見直すか読めない中で、「常に候補として思い出してもらう」ことを目指し、Webサイトや外部メディアへの掲載、メルマガなどを組み合わせた接点づくりを継続。
そのうえで、MAで得た情報と営業活動のデータを統合し、「入力する意味のある仕組み」を整えていく取り組みが紹介されました。
MQLについても、営業との対話と合意を通じて定義をすり合わせながら運用している点が、多くの参加者の参考となるセッションとなりました。

Echo特別セッション

庭山一郎の写真

Buying Behaviorの変化:モノ売りからコト売りへ
~アラインメントで成果を最大化する方法~

シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役

庭山 一郎

35年以上B2Bマーケティングに携わってきた庭山からは、世界的な購買行動の変化を踏まえ、「モノ売りからコト売りへ」転換するための考え方が示されました。
検索からAIへのシフト、コールドコールの到達率低下、「営業と会いたくない世界」といった現実を踏まえ、もはや従来型のマーケティング/営業スタイルには戻れないことを共有しました。

そのうえで、B2B購買プロセスにおいては「課題に気づいたバイインググループが情報収集を始めるシグナル」の“チャンスの窓が開く一瞬のタイミング”で顧客の課題を捉えることこそがコト売りへの鍵であると解説。MQA(Marketing Qualified Account)を軸に、こうしたシグナルを捉えるには、マーケティングや営業だけでなく、ものづくりも含めて統合顧客データを共有し、同じデータを見ながら議論するアラインメントが不可欠であると強調しました。データを起点にしたアラインメントこそが、限られた機会から確実に売上をつくるための“これからの標準”であるというメッセージが印象的なセッションとなりました。

ネットワーキングタイム
グループディスカッション&ネットワーキング

来期の社内連携を強化して、マーケティングを加速するためのディスカッション

IGCH Echoのもう一つの目的は、同じ課題を抱える参加者同士が直接対話し、“刺激”を持ち帰っていただくことです。今回は初参加の方が多く、開始直後から名刺交換や情報交換が非常に活発に行われました。
各テーブルでは、自社における営業・マーケティングの分断とその解消策や経営層の巻き込み方など、率直な意見交換が続きました。登壇者の周りにも多くの参加者が集まり、講演では聞ききれなかった具体的な質問や、自社のケースに即した相談が交わされるなど、「ここでしか聞けないリアルな話」に触れられる濃いネットワーキングとなりました。

参加者の声

  • 他登壇者の発表の中にも同じ悩みが見え隠れしており、興味深かったです(製造業)

  • 当社がマーケティング活動を始めるにあたってのヒントをたくさん頂き、感謝しております(サービス業)

  • 多くの企業が同じ悩みを持っていることが分かりました。横のつながりも大事にしていきたいと思いました(IT業)

  • 業種が違いすぎて、我々の課題に合うか疑問でしたが、少し視点を変えると対応策を含め参考になりました(IT業)

  • 初めての参加でしたが、各社、同様の悩み・課題を持っておられることに驚きました。共に分かち合い、進めていく、とても良い会だと思います(製造業)

  • 日々手探りで活動していましたが、他社様にも同様の悩みがあることがわかり、良かったです(IT業)

  • 他社の取り組みは非常に参考になりました(製造業)

  • 現場のリアルな苦労話が聞けて参考になりました(製造業)

シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役
庭山一郎より総括

今、世界のB2Bマーケティングは大きな激動期を迎えています。これは私の40年のキャリアでも経験が無いレベルのものです。何よりも顧客の購買プロセスが変化しました。多くのバイヤーは選定が70%の段階になるまで営業と会いたくないと考えています。電話を掛けても出てくれず、アンケートにも回答しません。そしてAIの影響で検索由来のオーガニックも激減しています。情報収集行動も大きく変化したのです。
一方、企業のマーケティングの現場では営業部門や他部門との連携、部下やチームの育成、そして経営層からの期待に応えるべく、日々多くの課題と向き合い、悪戦苦闘しておられます。

今回のIGCH Echoでは、長瀬産業様、NECソリューションイノベータ様、AGC様の3社が、「営業とマーケティングのアラインメント」という共通テーマのもと、成功事例だけでなく、率直な“苦労話”も含めて共有してくださいました。
3社に共通していたのは、営業とともに戦略・ターゲット・提供価値を再考し、KPIやフレームワークなどの定義を揃えて共通言語化することで、“同じ言葉”“同じ数字”で会話をする環境を整えていること。そして、成功事例だけでなく、うまくいかなかった経験も次の一手に活かしていることです。アラインメントは単なる掛け声ではなく、地道な標準化と対話の積み重ねによってのみ実現する、そのことを改めて実感させてくれました。

今回のIGCH Echoは、皆さまがつながり、次の一歩を踏み出すための“起点”となる場です。そして、2026年8月4日・5日に開催予定の「IGC Harmonics 2026」では、さらに多くの学びと出会い、国内外の最新マーケティング事例を共有する場を提供したいと考えています。私たちは、皆さまの事業成長とマーケティング&セールス組織の進化に少しでも貢献できるよう、挑戦を続けてまいります。
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